歯磨き粉

プロが教える!歯磨き粉の選び方【中級編】一歩先の選び方

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歯磨き粉の選び方・中級編

初級編では、フッ素配合について、研磨剤について、香味について触れましたが、中級編ではもうちょっと進んで、歯科医院との関わり方の違いによって、どの様な点に注意して歯磨き粉選びを考えれば良いのかをご紹介します。

ポイント 歯科医院との関わり方での違い


定期的に歯科医院でメインテナンスを続けている方、今まさに治療で通院中の方、しばらく歯医者さんいってないなあ、という方。いろいろなシチュエーションがあります。そのシチュエーションごとに、おそらく歯磨き粉に求める効能は変わってくるでしょう。各シーンごとに、どんな選び方を考えると良いかをみてみようと思います。

ステージ1 歯医者さんにしばらく行っていない

定期検診にも最近行っていないなあ、という方は、定期的にメインテナンスを受けられている方に比べると虫歯や歯周病のリスクは高くなっています。理由は、歯石や着色がついて汚れが付着しやすくなっていたり、バイオフィルムが古くなって厚くなり取れにくくなっていたりします。また初期の虫歯などの発見が遅れてしまうこともあります。
そうは言ってもも今は忙しくて歯医者には行けない、という方は、自分でできる範囲でフォローしていかなければなりません。また、歯科医師や歯科衛生士の専門的な目が入らない分、歯周病と虫歯のどちらにウエイトを置くべきか、ご自身では判断しにくいと思います。そこで、考えるべきこととしては

虫歯も歯周病もまるっとケアする

着色や歯石をできるだけ取り除く

そのためにご提案できる方向性としては

ステージ1の方のポイント

虫歯と歯周病を共に考えたトータルケア系歯磨き粉を選ぶ

歯石の沈着を抑える歯磨き粉を選ぶ

ステイン(茶色い着色)を取り除ける歯磨き粉を選ぶ

ということになります。これらを満たすものとしてお勧めできるのは

クリンプロ歯みがきペースト(3M)

虫歯予防の成分(1450ppmのフッ素)と歯周病予防の成分(IPMPとCPC)でトータルケアができて、歯に負担をかけない研磨性も持っています。使用感がとてもよくお勧めです。

ブリリアントモア(ライオン歯科材) + SP-Tメディカルガーグル(ライオン歯科材)

ライオン歯科材のブリリアントモアにはピロリン酸ナトリウムという、ステインを浮かせて取り除き、歯石の沈着を抑える効果のある成分が入っています。また虫歯予防としてフッ素も配合されています。
ただし、ブリリアントモアには歯周病予防のための成分は含まれていないため、うがい薬などでフォローできるとなお良いです。同じライオン製品にはSP-Tメディカルガーグルと薬用デンタルリンスがあり、前者はCPC、後者はIPMPが配合されているためどちらもお勧めです。

ステージ2 歯医者さんに治療で通院している方

さて、治療で通院中の方は、一番たしかな歯磨き粉の選び方は簡単、これです。

kofuru
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先生か衛生士さんに相談しよう!

治療中なので様々なシーンが考えられます。仮の詰め物が入っていたり、傷が治るまで待っている段階だったり、入れ歯を作っている途中だったり。普段と異なる状況だからこそ、オーラルケアの方法も普段と異なります。せめて、治療中の場所を磨いていいのかどうかは聞いてみてください。
その上で、どんなものが良いかを自分で考えてみたい、という方には、治療中に使っていただくようにご案内することが多いものをご紹介します。

ステージ1の方のポイント

炎症を抑えて、治療をスムーズに進めるのをサポートする

磨きにくいタイミングや場所をフォローする

コンクールF(ウエルテック)
kofuru
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すみません、いきなり歯磨き粉じゃないです。うがい薬です。

コンクールFに配合されているグルコン酸クロルヘキシジンは、病院ではもともと器具や手指の消毒に用いられる成分です。0.5%以下の濃度で用いた場合、口の中の細菌に対して殺菌作用や抗菌作用を示すことから、ケミカルプラークコントロール(化学的なブラークコントロール)として用いられています。日本国内ではアレルギーを示した患者さんがいらっしゃった事例から、かなり低い濃度での使用に制限がかかっていますが、低濃度でもある程度効果が期待できることが確認されています。
治療中に用いるメリットは、

仮の詰め物がはいっている

歯周病の治療中</p

抜歯や歯周外科などの後

治療中で磨きにくい

など、ブラッシングができない事情がある期間に用いることで、歯ブラシを当てて行うメカニカルプラークコントロール(機械的なプラークコントロール)の代わりにクロルヘキシジンが活躍してくれます。

ハグキプラスプロ(ライオン歯科材)

歯周病の治療中などであれば、このような歯肉への効果を期待する成分などが配合されている歯磨き粉はいかがでしょうか。ビタミンEが歯肉に張りをもたらし、トラネキサム酸が歯肉炎の炎症を抑制し、IPMPがバイオフィルムというヌルヌルした細菌の棲家に殺菌効果を示します。また治療前に、口臭などでお悩みのかたも多くいらっしゃいますが、こちらは口臭を抑制する作用のある殺菌成分であるラウロイルサルコシンナトリウム(LSS)も配合されています。1450ppmと高濃度のフッ素も配合されているため、トータルケアとして長く使い続けていただくことができます。

歯間ジェル(ライオン歯科材)

これをしっていればそこそこマニアックです。歯間ブラシ用の歯磨きジェルなのですが、治療中、特に仮歯や仮の詰め物が入っている時などにも効果が高いと私たちは実感として感じています。被せ物を作るまでの間、仮歯の周りを丁寧にケアしていく際に、通常のブラッシングの後に歯ブラシに少量この歯間ジェルをつけて塗り込むように使っていただくと、炎症を効果的に抑えることができます。歯科医院では治療中にもメインテナンス中でもお勧めすることが多い製品です。

kofuru
kofuru
思っている以上に効果が出るので、次回の治療の時に歯肉が良くなっていて先生にびっくりされるかも・・・!

もちろん歯間ブラシにつけて使っていただくのが本筋ですし、効果は期待できるのでかなりお勧めの製品です。

ステージ3 メインテナンス中の(定期検診に通われている)方

メインテナンス期間に入られた方は、ほとんどの方が病状が安定していると思います。その期間は

メインテナンス期間中、できる限り良い状態を維持する

ことにウェイトを大きく傾けることになります。

ステージ3の方のポイント

良い状態を維持することをサポートする

治療後の弱いところにポイントを置いてセルフケアする

再発を防ぐためにリスクを軽減させる

メインテナンス期間中は1ヶ月から数ヶ月の間はセルフケアで頑張ることになります。安定した状態が続くことをサポートできる様な薬効成分の配合されたものが好ましいですね。いくつかのパターンから見てみたいと思います。

ジェルコートF + コンクールF(共にウエルテック)

ウエルテックのジェルコートFとコンクールFの組み合わせは、メインテナンス中の患者さんの定番の一つです。クロルヘキシジンが形は違えどどちらにも配合されていて、細菌の活動を抑制することができます。寝る前にジェルコートFで丁寧にブラッシングを行った後にコンクールFでうがいをすることで、朝起きたときのお口のねばつき感も少なくなります。
歯や舌に茶色い着色がつきやすくなったり(使用を中断すれば粘膜の着色は数日で取れます)、味覚にわずかに変化が出る方がいらっしゃいますが、あまり気にならないという方がほとんどです。
メインテナンス中に使われている方は、良い状態が維持しやすいので特に支持が厚い組み合わせです。

チェックアップ ルートケア(ライオン歯科材)

歯周病治療が終わった後は、歯茎が少し下がってしまうことが多いのですが、その部分のケアは特に注意が必要です。そんな時にお勧めする歯磨き粉がこのチェックアップ ルートケアです。
チェックアップ ルートケアは、歯茎が下がって歯の根(歯根象牙質)が露出してきている方にオススメの歯磨き粉です。歯の根はとても虫歯になりやすく、そうでなくても唾液中のタンパク質分解酵素でダメージを受けやすい、とても繊細な部分です。一方でとても柔らかいので虫歯が進みやすく、神経にも近いので、注意が必要なところでもあります。
ルートケアに配合されているPCAは、唾液中のタンパク質分解酵素の働きを抑制して、コラーゲンの分解を抑えることを目的として配合されている成分です。結果として、ルートケアで日々のお手入れを続けることで、歯根象牙質を守ることが期待できます。これはライオン歯科材が新たに取り入れた成分で、他に類を見ないユニークなもので、私たちも注目しています。

kofuru
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歯の根の部分の知覚過敏も楽になることが多いです!

クリンプロ 歯みがきペースト(3M)

3Mのクリンプロ歯みがきペーストは2018年に発売された、新しい歯磨き粉です。特に着目すべきはfTCP(機能化されたカルシウム)とフッ素が同時に処方されているところ。カルシウムとフッ素は同時に処方すると、歯にうまく取り込まれなくなってしまうことが問題でしたが、3Mは見事にこれを解決しました。再石灰化のスピードを早めて、虫歯を初期の状態で抑える効果が大きく、歯磨きを頑張っているのに虫歯ができやすい!という方の強い味方になります。
IPMPとCPCも配合されているため、歯周病予防効果も期待できるので、メインテナンス中に起こりやすい問題をトータルでカバーしてくれます。